本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

安西信一『ももクロの美学』(廣済堂新書)という本

副題は「〈わけのわからなさ〉の秘密」。モノノフの著者がももクロの魅力を語った本なのだろう。 帯文には「偶然を必然に変えるエビぞりジャンプ!」とある。たしかにあのレッドのエビぞりジャンプには私も見惚れたことがある。ももクロはみんな動く動く。…

『青春と読書』2016年4月号(集英社)という雑誌

『漱石のことば』の刊行を機にした、著者の姜尚中と小森陽一の対談を目当てに買った。 漱石研究者の小森陽一は『壊れゆく世界と時代の課題』で、「姜尚中が最近、漱石論者になっている」と気になっている様子だった。はてさて対談や如何に?以上

土屋惠一郎『世阿弥 風姿花伝』(NHK出版)という本

能に関心はない。ただ著者の名前にムムムと来て買っただけだ。著者は功利主義者ベンサムの研究者だったのだが、能についての著書もあり、それが芸術選奨新人賞を受賞している。世の中にはすごい人がいたものである。以上

開一夫『赤ちゃんの不思議』(岩波新書)という本

吾輩は独身である。子どもはまだない。 帯や各章の扉絵に描かれた赤ちゃんが可愛かった。どれほどカワイイかはぜひ手に取って確認して欲しい!以上

永江朗『新宿で85年、本を売ること』(メディアファクトリー新書)という本

紀伊国屋書店新宿本店には一度だけ行ったことがある。NHKのドキュメント72時間でも取り上げられた。聖地の一つと行ってもいいのかもしれない。 著者の分野は「哲学からアダルトビデオまで」多岐に渡るが、『本を読むということ』など本に関する著書は面白…

杉田俊介・瀬山紀子・渡邉琢『障害者介助の現場から考える生活と労働』(明石書店)という本

豪華な執筆人だ。 立岩真也が「身体に良き本」として挙げた『介助者たちは、どう生きていくのか』の著者である渡邊琢、同じく「身体に良き本」として挙げられた『無能力批評』の著者の杉田俊介、『福祉と贈与』で福祉社会学会賞奨励賞を受賞した深田耕一郎…

トーベ・ヤンソン『ムーミン・コミックス・セレクション』(ちくま文庫)というマンガ

ご存じ、ムーミン!訳者は冨原眞弓。訳者はシモーヌ・ヴェーユという哲学者の研究者として知っていたが、『ムーミンを読む』などの著書もある。 知り合いにフーミンと呼ばれる人がいて、てっきりムーミンから名づけられたのだと思っていたが、実は細川ふみ…

プラトン『ソクラテスの弁明』(光文社古典新訳文庫)という本

本書を「百獣の王」こと武井壮が推していた。 翻訳はいくつかあるが、光文社古典新訳文庫を推す。訳者は納富信留。プラトンに関する著書があるだけでなく、国際プラトン学会前会長…すごくねぇ⁉︎以上

『週刊読書人』という新聞

最近、『週刊読書人』を買っている。企画が面白い!綾瀬はるか主演でドラマ化した『わたしを離さないで』をめぐる小松美彦と田中智彦の対談、『脱原発の哲学』を刊行した佐藤嘉幸と田口卓臣の対談、イスラームをめぐる中田考と松山洋平の対談、『模倣と権力…

永山薫『増補 エロマンガ・スタディーズ』(ちくま文庫)という本

副題は「「快楽装置」としての漫画入門」。すなわちレッキとした「漫画入門」なのだ! 我が30年の人生の経験則が言うには、キワモノを扱った本はハズレが少ないそうだ。そうした本には、キワモノという周縁からズバリ中心へと至る醍醐味が用意されているは…

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)というマンガ

知らなかったわけではない。けれども買わなかった。しかし後に買った。 日本政治思想史研究者の苅部直の『ヒューマニティーズ 政治学』の第2章「政治の空間ー政治学のこれまで」の第2節「政治の原像と都市」で紹介されていた。 曰く、「「ローマ人として…

平野啓一郎『私とは何かー「個人」から「分人」へ』(講談社現代新書)という本

今回は読了した本について語ろう。本書の「分人」という言葉が目に入り、これだ!とピンと来て買った。似たことを考えていたので、サクサク読み終えた。 本書の射程はかなり広い。それを物語るように、『ほんとうの構造主義』(NHKブックス)、『集合知とは何…

柄谷行人『憲法の無意識』(岩波新書)という本

本書はいまだ買ってない。なぜかといえば、まだ刊行されていないからである。買ってもまだ読まない本について書いているのだから、まだ買ってない本について書いても同じことだ。 著者の批評は夏目漱石などの文学作品を論じることから始められ、マルクスや…

大塚英志『社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門』(角川EPUB選書)という本

私は著者の民俗学者としての顔しか知らなかったが、友人から『物語の体操』をもらって、まんが原作者として知られていることを知った。その著者による日本民俗学の祖、柳田國男の入門書だったら魅了されないわけがない! またタイトルにある「社会をつくれ…

柴田元幸翻訳・木村草太法律用語監修『現代語訳で読む日本の憲法』(アルク)という本

日本国憲法の英文版を現代語訳した本だが、超がつくほど豪華!まず翻訳者は、現代アメリカ文学の旗手にして、村上春樹の友人である柴田元幸!法律用語監修は、やはり憲法学の旗手にして、趣味の将棋が嵩じた「将棋で学ぶ法的思考・文書作成」も講じている木…

上岡伸雄『テロと文学』(集英社新書)という本

タイトルを見てピンと来た。本になったのかと。注目していた論文から書籍が産まれるのはただただ嬉しい。即買った。 注目していた論文とは、2011年10月号の『世界』に掲載された「9・11後、アメリカ文学は何を語りうるかー『自分たち』と『他者』の間」。9…

片山杜秀『国の死に方』(新潮新書)という本

著者には本書の他に『近代日本の右翼思想』、『未完のファシズム』という著作もあり、これらの書からは思想史研究者としての顔を知ることができる。しかし私が最初に出会った著者の顔はそれではない。 毎週日曜日が待ち遠しい。休日だからではない。新聞に…

『ディコ仏和辞典』(白水社)という辞書

世にフランス語辞典はあまたあれど、なぜ余はかくもこの辞典を手にとりしか? まず編集責任に吉川一義が名を連ねている。吉川はフランス文学会の会長を務めた人で、満を持してのプルーストの『失われた時を求めて』の新訳は現在進行形で刊行中だ。 購入を決…

向井雅明『ラカン入門』(ちくま学芸文庫)という本

本書は『ラカン対ラカン』として刊行したものに、増補や改訂を加えて文庫化したもの。 しかし『ラカンの精神分析』や『生き延びるためのラカン』で参考文献として挙げられていなかったため買うまいと思っていたが、買いたくて買いたくて震える。もはや禁断…

河合祥一郎『謎解き『ハムレット』』(ちくま学芸文庫)という本

本書を友人の誕生日プレゼントとして送った。何をプレゼントしようか迷っていたが、友人がハムレットを読んでいると聞いたので、ピーンと来た。『ハムレットは太っていた!』でサントリー学芸賞を受賞した著者だから、信頼足る一冊に間違いない。 ところで…

NHK『哲子の部屋』制作班『哲子の部屋』(河出書房新社)という本

るーるる るるる るーるる るるる るーるーるーるーるーー るるる るーーるーるーるーーるーー るーーるーるーるーーー 本書について紹介したいのは山々だが、「る」がゲシュタルト崩壊を起こしたので、ここで筆を置く。以上

魚川祐司『だから仏教は面白い!』(講談社+α文庫)という本

「仏教はヤバい!」という背表紙の帯文からしてヤバい!では、どうヤバいのか? 「ニートになれ。世界を終わらせろ。」表紙の帯文はもっとヤバい! 著者の処女作である『仏教思想のゼロポイント』(新潮社)はじんぶん大賞2016でもノミネートしている。仏教に…

牧野雅彦『精読 アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ)という本

著者も内容も気にはなっていたが、本書の購入を最後の最後で後押ししたのが編集者。編集者は互盛央。侮るなかれ。自身も本を刊行しているだけでなく、それらが和辻哲郎文化賞、渋沢・クローデル賞、サントリー学芸賞を受賞しているのだ。信頼できる一冊に違…

佐々木健一『論文ゼミナール』(東京大学出版会)という本

論文の書き方についての指南書は多数ある。その中でも、本書は目を惹いた。それはやはり著者が美学研究者だから。それは、論文がアートであることを感じさせてくれる。論文は作品であることを永遠に禁じられていない、美的に享受してもいいのだ! しかした…

佐々木敦『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)という本

このタイトルを目にして、その通りだと思った。わたしは今、この本を買おうとしている。以上

安冨歩『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)という本

これを手に取ったのは、テーマと著者によるところが大きい。著者の安冨歩は『「満洲国」の成立』で日経・経済図書文化賞を受賞している。それを踏まえた新書だから、内容も値段もお得でないわけがない! しかし著者を知ったのは『生きる技法』。その帯には…

大野裕之『チャップリンとヒトラー』(岩波書店)という本

なぜ手に取ったかといえば、チャップリンの有名過ぎる映画『独裁者』を巡って論じているためである。 私と『独裁者』との出会いを介したのは、日本政治思想史家の丸山眞男の論文「現代における人間と政治」だ。論文の冒頭に繰り広げられる『独裁者』解釈が…