本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

油井大三郎『増補新装版 未完の占領改革: アメリカ知識人と捨てられた日本民主化構想』(東大出版会)という本

学者でも若いイケメンがもてはやされる。しかし私の推しメンは本書の著者である油井大三郎、71歳。三國連太郎激似で、ただただ渋いのだ!買う理由がこれで悪いか!以上

中島義道『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)という本

私の部屋に象はいない。これは全く以って正しい。しかし何か違和感が残る。それは私の部屋に象がいることの真偽が問われていること、すなわち真にせよ偽にせよ私の部屋に象がいることが前提にされていること、これだ!私の部屋に象が占める場所なんてそもそ…

巻田悦郎『ガダマー入門』(アルテ)という本

悪いことをしてしまった、悪を為せるのはただ他者に対してのみである。 ある書店の哲学書コーナーで本を眺めていたら、爽やかな青年に声をかけられた、「哲学がお好きなんですか」と。書店で声をかけることもかけられることもまずほとんどない。しかしこと…

熊野純彦『マルクス 資本論の思考』(せりか書房)という本

本書は前回言及した熊野純彦の主著と言っていいだろう。惚れ惚れする美しい本である。書店で見かけたら、ぜひ色あい、手触り、重さを感じて欲しいとともに、本書を書きながら、ハイデガーの『存在と時間』、カントの三批判書を並行して訳す人間が同じ時代を…

河合香吏編『他者 人類社会の進化』(京都大学学術出版会)という本

裏表紙の帯には本書の意気込みが書かれている。「今日「他者」は諸学問の流行テーマである。しかし本書はそれらの議論とは一線を画す。すなわち、一切の思弁を排し、ヒトとサル(そして他の動物)の参与的な観察事例にこだわった厳密な経験科学として、「他者…

荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』(東京書籍)という本

「勉強なんか勝手にやれ。やって、やって、やりまくれ!」という帯文はまさにその通り!勝手にやるさ!私が日本政治思想史家の丸山眞男について調べ始めたのもまさにそう。大学教員に丸山について質問したところ、丸山なんて読む必要がないと言われたのがキ…

『災害支援に女性の視点を!』(岩波ブックレット)という本

「東日本大震災の教訓を生かすために」 震災によるストレスからパートナーへの暴力に発展した。避難所では性別役割が固定化して、女性たちが疲弊した。みんなが生きるために読まれるべき本。以上

坂爪真吾『セックスと障害者』(イースト新書)という本

この著者にして、この著書あり!帯の写真には『切断ヴィーナス』!待ちに待った本だ!しかし障害者と性について私は複雑な気持ちになる。 障害者と一口に言っても、身体、知的、精神など、さらには男性と女性、それらにカテゴライズされない性的マイノリテ…

鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』(ちくま文庫)という本

タイトルからしてソソられる。肌を守るためとかそういうことではなさそうだ。帯文の「ファッションは魂の皮膚である!」にはシビれた。おそらく服の機能どはなしに服の意味の探究だろうか。 ひとは毎日、なんらかの服を着ている。数ある生地、色、メーカー…

宮下志朗 小野正嗣『世界文学への招待』(放送大学教育振興会)という本

今年度から開講された放送大学のテキスト。芥川賞作家にして、『林修の世界の名著』に三度の出演を果たした小野正嗣が初回を務める。 当たり前といえば当たり前だが、「世界」の中に「日本」は含まれている。だから「世界文学」の中にも「日本文学」が含ま…

長島要一『森鷗外』(岩波新書)という本

副題は「文化の翻訳者」。翻訳者としての森鷗外に焦点を当てたものだろうか。 翻訳者が有名な作家であることはそんなに珍しくないかもしれない。たとえば村上春樹も翻訳者にして世界に知られた作家だ。してみれば、翻訳という営みには何かグレートなことが…

加島祥造『「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい』(集英社新書)という本

真意を測りかねるタイトルだ。女性が手に取ることも考慮しているだろうから、そのままの意味で受け取ってはいけない、たぶん。「おっぱい」と鉤括弧をつけるあたりからしても、比喩なのだろうと思う。やりたいことをやれ!ということか?にしても他に言い方…

ドストエフスキー『地下室の手記』(新潮文庫)という本

地下室で書かれた手記なのだろう。地下室というとジメジメした印象を受けるのは私だけかしらん。そんな場所で書く野郎は、根暗な卑屈野郎に違いない。 手記は日記とは違う。日々の出来事を書き連ねたものではなく、自分の体験や経験を書き連ねたもの。小保…