本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

斎藤美奈子『学校が教えないほんとうの政治の話』(ちくまプリマー新書)という本

    裏表紙には次のように書いてある。「政治参加への第一歩は、どっちがホームで、どっちがアウェイかを決めること。」
    法哲学カール・シュミットは『政治的なるものの概念』で、政治を敵と味方を区別することと定義する。いわゆる友敵理論だ。その意味で本書は正面から政治を論じているだろう。しかしそれだけではない。さらに裏表紙には続けて次のように書いてある。「この本を読んで、あなたの政治的ポジションを見つけてください。」
    日本政治思想史家丸山眞男は『日本の思想』で日本において基軸が無いことを指摘した。つまり読者にポジション発見を促そうとする本書は日本的文脈なるものをも踏まえているだろう。
    友・敵をホーム・アウェイと言い換え、軸をポジションと言い換える著者の技量には参った。流石『紅一点論』の著者である。「ほんとうの政治の話」には違いない。
    こうした政治の話を「学校が教えない」のは和気あいあいを求めるからだろうか。しかし思考が異なりから、他者から始まるのであれば、むしろこうした話こそが必要になる。18歳選挙権のニュースで「主権者教育」が盛んに言われるけれども、主権者はなにも18歳以上に限らず、国民主権ならば生まれたときから主権者である。
    食べるのが遅かったので給食時間がもっと欲しかった。すぐに片づけて昼休みの時間に突入する毎日が忙しなかった。よく噛んで食べましょうなんて嘘っぱちじゃねえか、食べるスピードはそれぞれだろう。子どもながらに不満を覚えた。子どもは政治がしたいのだ!

以上