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本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

『うつくしいひと』という映画

    映画『うつくしいひと』。小林秀雄をもじって言えば、「ひとのうつくしさがあるのではなく、うつくしいひとがいるのである。」
    熊本を舞台に、熊本に縁のあるキャストで製作された「うつくしいひと」。これは現総理である安倍晋三が使っていた「美しい国」に対峙しているように見える。それはたとえば政治思想史研究者の姜尚中を起用していることからしても見てとれる。
    「美しい国」がナショナリズムを掲げるのに対し、「うつくしいひと」は熊本という郷土を根っこにしたパトリオティズムを掲げる。つまり国に根ざすことはできないどころか、根無し草にならざるをえない。そうした日本の根無しは、「美しい国」すなわち「美国」は中国語、朝鮮語でアメリカを意味するという揶揄にもあらわれている。「うつくしいひと」を全て平仮名にしたことでかえって日本の文化に根差そうとしたのはそれへの対抗か。
    なによりも「国」ではなく「ひと」を中心にすること、郷土に根差したパトリオティズムを根拠にすること、それらはまた安倍晋三が根無し草であることも暴露する。そうしたことを妄想してしまう今日この頃である。

以上