本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

橘川俊忠『丸山真男「日本政治思想史研究」を読む(仮)』(日本評論社)という本

    「すぐれた研究書はそれ自体ひとつの「世界」をかたちづくっています。あるいはそれ自身として一箇の「小宇宙」といってよいものです。古典ともなった研究書は、そこに盛られた知見そのものがたとえ古びていったとしても、なお生きのこります。テクストとしての固有の魅力によって生きのこってゆくのです」とは、熊野純彦が『日本政治思想史研究』にふれて言ったことだ。
    本書は来月刊行予定だそうだが、おそらく買う。著者は『日本政治思想史研究』を「有名だが読まれざる著書」と評している。確かに一説によると、それは『ツァラトゥストラかく語りき』、『論理哲学論考』と並ぶほどの「コワモテのする本」らしい(森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』)。
    『日本政治思想史研究』に限らず、『日本の思想』(『丸山真男『日本の思想』精読』)も『忠誠と反逆』(「「忠誠と反逆」を読む」)も『「文明論之概略」を読む』(『日本近代思想批判』)も、いずれも丸山の著書を読むことで一つのコスモスを形成している。さて本書はいかなるコスモスを見せてくれるだろうか。第三論文で躓く私には楽しみな一冊である。

以上