坂爪真吾『セックスと障害者』(イースト新書)という本
この著者にして、この著書あり!帯の写真には『切断ヴィーナス』!待ちに待った本だ!しかし障害者と性について私は複雑な気持ちになる。
障害者と一口に言っても、身体、知的、精神など、さらには男性と女性、それらにカテゴライズされない性的マイノリティーがいるのは当然で、障害者運動は主に身体障害のヘテロセクシャルの男性が担ってきた。それは社会の縮図でもあった。どういうことか。障害者差別に反対する一方で、性差別には鈍感ということ。男性障害者が女性介助者にセックスを迫り、自殺に追いやったこともある。
ただ女性解放運動と連帯していた時代には、そうした性差別を糾弾されて、自覚を促され、反省した人々もいる。けれども、世代交代する、いま現在はどうなのだろうか。障害者差別には敏感で、性差別には鈍感な男性障害者、男性介助者は私の周りにいる。私もその一人かもしれない。
本書がそうしたことに触れているのかどうかわからない。むしろ私が本書のタイトルをダシにして触れたことだ。いずれにせよ、楽しみな一冊である。
以上