読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本買うゆえに我あり

買っただけで満足して何が悪い‼︎

片山杜秀『国の死に方』(新潮新書)という本

    著者には本書の他に『近代日本の右翼思想』、『未完のファシズム』という著作もあり、これらの書からは思想史研究者としての顔を知ることができる。しかし私が最初に出会った著者の顔はそれではない。
    毎週日曜日が待ち遠しい。休日だからではない。新聞に書評が出るからだ。各新聞の書評委員がどんな本を選定するのかワクワク、ウキウキする。それらを参考にして本を購入することもしばしば。
    苅部直という人がいる。日本政治思想史研究者であるが、様々な媒体に名書評を書き連ねている。たとえば三浦しをんの『舟を編む』を、本屋大賞を受賞する前に、映画化する前に書評するぐらいスゴい!そうした眼力にとどまらず、書評を本にまとめる、言い換えると、本の記事がそのまま本になってしまうぐらいスゴい!
    さて片山と出会ったのも苅部の書評を介して出会った。では何が書評されたのか?書評されたのは、『音盤考現学』、『音盤博物誌』。同書が受賞したのはサントリー学芸賞だけではない。小沢征爾が「恩人の中の恩人、大恩人」と呼んだ音楽評論家である吉田秀和の名を冠した賞も受賞している。すなわち私が片山に最初に出会ったのは、音楽評論家としての顔であった。
    しかしよくよく考えてみると、丸山眞男という日本政治思想史家もまた吉田秀和と対談するほどに大の音楽好きであったのだから、片山杜秀も存在はそう不思議ではない。

以上